ふたつの恋の物語
にやにやしてこっちを見てくる。

「続きはしないからねっ!」

『えー!』


小さい子供みたいに拗ねる。


「そんな顔したってだめ!」

あたしは迫ってくるハルの顔を掴んだ。

『いーじゃん・・・』

「だめったらだめ!変態!!」


ハルはしゅんとしてようやく離れてあたしに手を差し出した。

あたしは警戒しながら手をつかんで起き上がった。


『警戒しすぎじゃね?』

「だってやだもん。」


するとハルは急に笑顔になった。

『じゃあ俺帰るからさ、バイバイのキスして?』

「はあ?」

『ほら早く。』


目を瞑って唇を少し突き出すハル。

「・・・届かないんですけど。」


いくらあたしがでかいとはいえ身長差は10センチある。

『ん。』

ハルは少し前屈みになってあたしの腰に手を回した。


「はずかし・・・」

『はやくぅ!』




軽くキスをしてあたしは顔を伏せた。

「はい!じゃあね!」

あたしはハルの顔を見るのもはずかしくて下を向いたままハルをドアまで押しやった。


『かわいーなあ♪』

「早く帰りなって!!」

あたしはドアを開けて部屋からハルを追い出した。
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