さよならとその向こう側
今年も恒例になっている花見が終わり、私と実も付き合い始めて二年が経った。


正式なプロポーズはされてないが、彼はもう三十歳になるし、ちらほらそれらしい会話もしていた。


『子供は二人は欲しい』とか。
『住むならマンションよりも一戸建てがいい』とか。

そこには、私達二人の未来があった。


実と家庭を築く。

いつしか、当たり前の様に感じていた。


あの時までは……。



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