さよならとその向こう側
不安と期待が混ざった複雑な気持ちで車を走らせ、彩夏のアパートに着いた。
それから車を停め、2階にある彩夏の部屋を見上げた。
…………。
……明かりが消えてる。
確かに夜の12時近いが、寝ているというのか?
それとも出掛けてる?
確かめる為に部屋へと向かう。
そして、
ーーピンポーン
緊張しながら、インターホンを押した。
だが部屋からは何の物音もせず、インターホンの音だけが、静かな夜空に響き渡った。