さよならとその向こう側
とりあえず仕事も辞めさせて実家に戻って来させたものの、どうしようかと皆が悩んでいた時、お母さんの幼馴染だったお父さんが家に訪ねて来たの。
お母さんが帰って来た事を聞いて、嬉しくて会いに来たと言ってた。
その頃のお父さんは、”洋食屋を出す”という夢を叶える為にレストランで下積みをした後、地元に戻ってきたばかりで。
開店資金もそれなりに貯めたし、小さくても皆に愛される店を作りたいって、きらきらした目で夢を語っていた。
そして、毎日毎日、お母さんを心配して訪ねてきた。
それからね、お母さんが彩夏を産むと決意した頃、お父さんはプロポーズしたそうよ。
「僕が父親になるから。一緒に育てよう。君とお腹の赤ちゃんを、必ず守るから。」
って。
お母さんが、嬉しそうに泣きながら家族に教えてくれたの、今でもはっきり覚えてるの。