さよならとその向こう側

私は一ヶ月以上も眠っていたはずなのに。


実さんに対するこの気持ちは全然変わらない。

――――なんでこんなに好きなんだろう?



でも、もう実さんに会わす顔が無いよ。


クリスマスイヴに聞いてしまった話の通りなら、父は私を説得するつもりだろうから。


それにきっとあの“彩夏“から聞いて、私のした事全部実さんにばれてるだろうから。




もうどんなに足掻いても、どうする事も出来ないんだ――。



もし明日見舞いに来てくれたとしても、私の意識が戻ったとわかれば……その次の日は来ないだろう。


ううん。

その前に、父が知らせるかもしれない。“意識が戻ったからもう来なくてもいい“って。




このまま一生、会えないのかもしれない――。



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