さよならとその向こう側
「逃げちゃ駄目だって…分かるけど、やっぱり。少しでも、先送りにしたい。自分の中でちゃんと大丈夫だって思えるまで。」
敦の言ってる事が正しいって分かってる。
でも、駄目。
考えるだけで怖い。
……もう二度と実さんに会えなくなるなんて、そんな現実、頭がおかしくなりそう。
そう思うと体が震える。
また、涙が溢れて来る。
だけど敦は、私を抱きしめたまま、優しく頭を撫で続ける。
「…綾。気持ちは分かるけど、また自分の事しか考えてないだろ?」
「――。」
「綾にとっては、事故以来時間が止まったままだったから、仕方ないかもしれないけど。他の人にとっては、あれから一ヶ月以上経ってるんだ。毎日綾の見舞いに来てる神田実をそろそろ解放してやれよ?これもたまたま聞いた話だけど、彩夏にはまだ会いに行ってないらしい。綾のお父さんが言ってたよ。」
敦の言ってる事が正しいって分かってる。
でも、駄目。
考えるだけで怖い。
……もう二度と実さんに会えなくなるなんて、そんな現実、頭がおかしくなりそう。
そう思うと体が震える。
また、涙が溢れて来る。
だけど敦は、私を抱きしめたまま、優しく頭を撫で続ける。
「…綾。気持ちは分かるけど、また自分の事しか考えてないだろ?」
「――。」
「綾にとっては、事故以来時間が止まったままだったから、仕方ないかもしれないけど。他の人にとっては、あれから一ヶ月以上経ってるんだ。毎日綾の見舞いに来てる神田実をそろそろ解放してやれよ?これもたまたま聞いた話だけど、彩夏にはまだ会いに行ってないらしい。綾のお父さんが言ってたよ。」