幼なじみ〜first love〜
「…ゲホッ…ゴホッ…っ…」




絢音が咽て、その瞬間、口から水が吹き出し、ゆっくりと目を開く。




「あ、絢音!…絢音…わかるか…?」




絢音の頬を叩きながら、必死に呼びかけた。




「………っ」




「絢音……俺だよ…」




「…あ…蒼……っ…」




小さく、か細い声、うつろな瞳で俺を見つめた。




「…絢音……よかった…」




俺は、絢音を強く抱きしめた。




絢音の頬に、俺の目から溢れた涙の雫がポタポタと滴り落ちる。




悲しみの果てに




残ったモノ…それは




キミへの確かな“愛”




俺の中の誰よりも
かけがえのない存在だということに




改めて気づかされた




絢音のぬくもりを腕の中で感じながら…




誰もいない夜明けの砂浜で、静かに流れ始めた波の音を聴いていた。
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