幼なじみ〜first love〜
「絢音…アイツになんか言われなかった?」




「な、な、何かって…?」




わかりやすいな。
あきらかに動揺してる。

くそっ!油断も隙もねぇ。



「…好きとか言われたんじゃねぇの?」




「な、何で知ってんのっ?」




絢音は顔を赤くして、照れていた。その態度に俺はまた腹を立てる。




「マジかよ……」




遊也のやろう…!覚えとけよっ!




「大丈夫だよ…蒼。遊也とは友達になったの…ちゃんと蒼が好きだってこと知ってるから」




「……そんなら、いいけど」




苛立つまま俺は、絢音の腕を取り抱き寄せた。




「蒼、なんか怒ってる?」




「別に…」




…ヤキモチ妬いただけ。




「好きだよ…蒼……」




「俺も…」




……好きだよ、絢音。




「ぅうっん!!ゴッ、ゴホッ」




そばで、胡散臭い咳払いが聞こえ、俺たちは慌てて離れた。




「もぉっ!二人とも!日曜なんだから、パパに見つかるでしょー?家の中でそういう…青春ラブとか禁止ねっ!」




おばさんは俺と絢音のおでこに軽く指でデコピンをする。




「ママ…痛い」




「いちゃつくなら隠れてしなさいよ?まったくもうっ!」




そういう問題か?




おばちゃんは、口元を押さえながらニヤニヤして、台所へと戻っていった。




「…ママ、完全楽しんでるね…。」




「ほんとだな」
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