幼なじみ〜first love〜
外の気温は30度を超えているだろう。太陽が照りつけ、蝉の声が鳴り止まない夏の昼間。




俺たちは、駅へと向かって歩いていた。




「置いてくぞ…?」




俺の2メートルは後ろにいる、絢音。




「待ってよぉ!歩くの速いよぉ〜っ」




「…そんなヒールの高いサンダル履いてくるからだろ?」




「だってぇ…少しでも背高く見せたいんだもん…足細く見せたいんだもん……」




絢音はその場にしゃがみ込み、頬を膨らませ、口を尖らせた。




「わかったって…ほら」




俺は、絢音の手を引っ張り、歩き出した。




「…今日の服…どうしたんだ?」




絢音は白のワンピースに、アジアンチックな茶色のヒールの高いサンダル、肩から小さな水色のハート型をしたポシェットをかけていた。




「このワンピね、カワイイでしょ?買う時ね、美々ちゃんが選んでくれたんだよぉ…」




「だろーな」




「なにそれぇー!あたしじゃセンス悪いっていうのぉ?」




「うるせーなぁ。早く行くぞ!」




こんなふうに

手を繋いで歩けるのも…あと少し




絢音は




あれから

悲しい顔ひとつしない…―――。
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