幼なじみ〜first love〜
俺はそっと目を閉じて、深く息を吸い込み、絢音と過ごした時間を思い出していた。




初めて、同居した日

一緒に眠りについた



二人でDVDを見たり


ゲームしたり

音楽聞いたり



星を見ながら、朝まで話したこともあった



夏祭りの夜、愛し合って



涙で濡れた笑顔を抱き締めた




ここで過ごしたことだけじゃない。生まれてからずっと、数え切れないくらいの日々を絢音と一緒に越えてきた。




全てがまるで昨日のことのように…思い出されるほどに…。




これ以上は、いられない…




行けなくなる




じゃあな…絢音




俺は、荷物の入った鞄を持って、静かに部屋を出た。




絢音や皆には、昼頃に出発と伝えていたけれど……




見送られると…行けなくなってしまいそうで、




俺はひとり黙って出発することにした。
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