幼なじみ〜first love〜
「蒼……」
俺の腕の中で聞こえる小さな声。
「……絢音」
ずっと、こうして抱きしめていたい。
絢音の香りや
絢音のぬくもり
俺の体中に
刻み込むように……
こんなにも
愛してると
忘れないように……
「帰ってきたら…おまえのこと…世界一、幸せにするから………」
俺は、絢音の耳元で囁いた。
「蒼……」
俺はそっと絢音の身体を離し、電車に乗り込んだ。
「蒼……っ!!」
プシューーーッ…―――
ドアが閉まり、涙を流す絢音の顔を見つめた。
電車がゆっくりと…走り出す……
「絢音っ」
聴こえるはずないのに……
「絢音……っ!」
俺は…
何度も何度も
名前を呼んだ
「…あや…ね…っ……」
必死に走って俺を追いかけてくる絢音を見つめ、俺はドアにもたれかかり、涙を流した。