幼なじみ〜first love〜
蒼のいない日々は、遅く感じながらも、確実に過ぎていった……
蒼がいない初めての春…
あたしたちは高2になりました。
「すごい…みんな同じクラス……」
あたしは、新しい教室に入り周りをキョロキョロと見渡した。いつもの三人の姿がそこにはあった。
「あっ!絢音〜遅いよっ?」
美々ちゃんとケンちゃん、遊也が、あたしの席を囲むようにして座っていた。
「ラッキーっていうか、すごくない?」
クラス替えとか不安だった。蒼はいないし、みんなとも離れたらどうしようって。心配して損したな。
みんなと一緒で楽しくなりそう…
「…あっ!遊也の彼女も一緒じゃん」
ケンちゃんが指差す方向を見ると、窓際の一番前の席に座っている、茶色の長い髪の女の子…
遊也の彼女、美月も一緒のクラスだった。
「もう、彼女ちゃうで?」
そう言って遊也はニコッと笑う。
「えっ?別れちゃったの!?」
いつの間に…早いな。
「3ヶ月ぐらい前ちゃう…?」
他人事のようにサラッと言う遊也。特にもう気にさえしていないようだった。
「今、俺の彼女はアイツや…瑠奈」
廊下側の一番前の席で、男の子たちと楽しそうに笑っている、明るそうな女の子。
赤みがかった茶色の髪。ショートヘアがよく似合っている。
あの子が現在の遊也の彼女らしい。
名前は、瑠奈(るな)と言う。