幼なじみ〜first love〜
母ちゃんは、元から身体が弱かった。
俺が小さい頃も何度も病院に入院していた記憶がある。




それでも母ちゃんは、ほとんど家にはいなくて、外で働いていた。




ストレスを溜めやすいタイプなのか、物事を気にしやすい性格な母ちゃん。




仕事を辞めて、アメリカに行き、俺は元気になると思っていた。




高1の夏、父ちゃんから電話があった。




“母さんが倒れたんだ…蒼、やっぱり家族が離れて暮らすのはよくない。蒼もアメリカに来なさい”




俺がアメリカに来てからは、母ちゃんの具合は良くなっていたと思った。




でも違った。




「…っ…うっ…」




ある日、買い物の帰りに、人ごみの中、突然、母ちゃんがその場にうずくまる。




「母ちゃん!大丈夫か?」




母ちゃんはうずくまったまま、身体はかすかに震えていた。
何かに怯えたように、耳を塞ぎ、呼吸が乱れてきた。




「母ちゃんっ!」




それまでにも、めまいや動機などの症状は…思い起こせば何度かあったんだ。




もっと早く気づくべきだった。
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