幼なじみ〜first love〜
「パパに反対されたって、関係ない…!」




あたしは叫んだ。だってすごく悔しい。パパなら蒼のことわかってくれると思ってた。喜んでくれると思った。




「絢音…!」




「自分の好きな人は、自分で決める。パパには関係ないから」




「パパの言うことが聞けないなら、この家から出て行きなさい」




パパは無表情で、それがあたしにはすごく怖かった。




「話は終わりだ。蒼と別れなさい。いいな?パパは風呂入ってくる…」




――…パタン


パパは部屋を出ていった。




意味わかんないよ…


何でそんなに反対するの…?




年頃の娘だもん。

彼氏がいたっておかしくないぢゃん…。




蒼が一緒に住んでる時は、男女が付き合うと色々心配なことはあると思う。




でも、パパは“理由なんてない”ってそう言った。




理由もなく頭ごなしに反対されて、納得出来るわけないじゃんか。




「もぉっ!」




ガタンッ……ガチャッ――!




「イッ…たぁい…」




テーブルの角に足の小指を思い切りぶつけ、その反動でパパの携帯が床に落ちてしまった。




床の上で、二つ折り携帯が開いた状態になっている。




「壊れてないよね…?」




あたしはすぐにパパの携帯を拾った。




「………えっ?」




落ちた反動で携帯のボタンが押されてしまったらしい。




画面を見ると、メールの受信フォルダ画面だった。




そこには見覚えのある名前があった…――。
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