幼なじみ〜first love〜
「……大丈夫か?」




蒼はクレープを片手に、もう一方の手をその女の子に差し伸べた。

あたしはしゃがみこんで、その子の落ちたノートなどを拾う。




「大丈夫です。…ごめんなさい」




そう言って女の子は、蒼の手を握り立ち上がった。




よく見ると、その女の子はあたしたちと同じ高校の制服だった。




桜ヶ丘高校の生徒なんだ。




「まだ何か、ないの…?」




あたしが全部拾い集めたはずなのに、女の子が何もない地面を触っているから、あたしはしゃがみこみ訊いた。




「…コンタクトレンズも…落ちちゃったみたいで…」




顔を上げた女の子は、まさに美少女というのが当てはまる。




透き通るような白い綺麗な肌に、パッチリとした目と長い睫毛が印象的で…化粧はしているみたいだけど、ナチュラルメイク。艶々した茶色の長いストレートの髪は胸下まである。




まるでモデルさんのように、綺麗な子だった。




一般人でこんなに可愛い女の子、人生で初めて見たかも…




あたしは、拾ったノートに書かれていた名前を見た。




“1年B組 夏川 栞”




隣のクラスだ…




「栞ちゃんっ!あたしたちも探すっ」




「どうして名前を…?」




あたしはノートを指差すと、栞ちゃんはニコっと笑った。その笑顔に、同じ女の子でもドキッとしてしまうくらい可愛いと思った。
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