幼なじみ〜first love〜
「よかったな…見つかって」




そう言って蒼は、持ってあげていた栞ちゃんのカバンを彼女に渡した。




「本当にありがとぉ…えっと…」




栞ちゃんは、言葉に詰まる。




「あたし、C組の鈴ヶ森絢音っていうの!」




「…絢音ちゃんね?」




「そう。んでこっちは、同じくC組の水嶋 蒼」




あたしは、蒼を指差して、栞ちゃんに笑顔を向けた。




「蒼くんね…。…二人は…付き合ってるの?」




栞ちゃんの質問に、あたしたちは慌てて答える。




「「ただの幼なじみだよっ!!」」




見事に声が揃った。




そんなにハッキリ否定しなくてもいいじゃん……




「お、幼なじみ…?」




栞ちゃんは、あたしたちの声の大きさに少し引いていた。




「うん、そう…幼なじみなの……あたしたち」
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