幼なじみ〜first love〜
「…ふぅ…ん。そっかぁ…。拾ってくれてありがとう!じゃ、また学校でね。」




茶色で長いストレートの髪を風になびかせながら、栞ちゃんは足早に去っていった。




「…可愛い子だったね。栞ちゃん…」




「そぉか?」




蒼を見ると、そうでもないといった顔をしている。




「えっ!?あたし…あんな美少女、生きてきて見たことないよっ?」




蒼は、特に興味なさそうに、クレープを食べながら歩き出した。




「おまえ…大げさじゃね?」




「えー?そんなことないよ。しかも、カラコンだったじゃん。オシャレ〜」




地面に落としたのは、グレーのカラーコンタクトだった。




あんなに可愛かったら




自分に自信が持てるのに…




蒼に好きって…言えるのにな…




どうしてあたしは平凡な顔に…生まれたのよぉ…




「本当に可愛いって思わなかったの?!」




「しつこいぞ、絢音」




「むぅーーー!」




あたしは頬を膨らませた。




「何で怒ってんだよ?」




「べ・つ・に!」




蒼ってばどれだけ


理想が高いのーー?




あの子を何とも思わないなんて




あたしなんて全然ダメじゃん。
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