幼なじみ〜first love〜
栞ちゃんの後を追い、誰もいないひっそりした体育館裏にやってきた。




「栞ちゃん…話って…?」




栞ちゃんの華奢な背中を見つめると、栞ちゃんからは衝撃な言葉を聞かされる。




「あのね、栞…蒼くんのこと好きになっちゃったの」




笑顔で振り向いた栞ちゃんに、あたしは動揺していた。




「それでね、絢音ちゃんにも協力して欲しいなぁーって思って」




栞ちゃんは、あたしの両手を握り、ニコッと微笑む。




今までもこういうこと、何度もあった。




蒼は昔からモテたから。

幼なじみのあたしに、協力してって頼む女の子はたくさんいた。




あたしだって、蒼が好きなのに。




でも決まって女の子たちに、いつも言い続けた言葉。




「蒼は、あたしに協力とかされるの嫌がると思うの。…好きな気持ちは自分で伝えた方がいいと思うよ…?」




そう何度も、決まった台詞を言い続けてきた。そして今目の前にいる栞ちゃんにも。
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