幼なじみ〜first love〜
沙羅のこと


嫌いとか

好きとか




恋愛感情かと聞かれると違う。




そばにいるのは

一緒に暮らしているのは




俺のせいで

沙羅が声を失ったから…?




それだけじゃない




罪の意識や

責任を感じていないわけじゃない




沙羅は俺を必要としていて




沙羅には俺しかいない……―――。




絢音に対する感情とは、違う感情……




この感情は

何て言う感情なのだろうか…?







絢音は俺にとっての

最初で最後の恋




この想いも

一生消えることは、ないだろう…




それでも俺は

絢音を幸せにできない




そばにいて
抱きしめられなくても


もう二度と
逢えないとしても




絢音を離し

絢音の幸せを願うことが


俺のできる唯一の愛で、




沙羅のそばで

沙羅の笑顔を見ることが


俺の運命なんだと…




それが神様に与えられた




俺たちの運命なんだと……―――






俺は

やっとわかったんだ…―――。






――…絢音


君は

何も知らないまま




幸せになって……――。
< 632 / 1,010 >

この作品をシェア

pagetop