幼なじみ〜first love〜
蒼の服を両手でギュッと掴み、蒼の心臓あたりに、耳をつけた。




君の鼓動は

私を生かすの




「…沙羅は……蒼がいなくなったら…死んじゃうからね……―――」




蒼の瞳は

とても哀しい瞳……




そうさせたのは




きっと…沙羅……




「…どこにもいかねぇよ……何…言ってんだよ…」




「…ホント…に……?」




ごめんね……君を悲しませて




でも余裕なんてないの




君が嘘をつくから……




ずっと迷ってるって


知ってるから……




「沙羅を置いて…どこいくんだよ?…俺にはここしかねぇよ」




「…じゃあ…信じさせて……」




そう呟き、少し背伸びをして、蒼の首の後ろに腕を回した。




嘘でもいいの




「…蒼…好き…っ」




私は泣きながら、何度も“好き”と呟いた。




言いたくても

言えなかった愛の言葉




「…今日は…一緒に寝てね…」




「………あぁ」




君の嘘を本気にしてみせるよ




私の勝ちだよ……




もう…君は私のモノ




絶対に絶対に

離さない




絶対に死なせたりしない




この恋を

私の生きる意味を




絶対に死なせない……―――。








――…けれども幸せは


いつも掴もうとすると、逃げてしまうね……。
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