幼なじみ〜first love〜
「えぇーっ!じゃぁ…あたしもやめとくよぉ」




「雪にダイブしたら、心臓止まっちゃうよ…」




「ふふっ…ごめん、ごめん…沙羅」




絢音ちゃんは、お湯につかったまま、雪を丸めて小さな雪だるまを作り、風呂岩の上に乗せた。




「可愛い雪だるま」




「沙羅も一緒に作ろうよ?」




「うんっ」




そばに落ちていた葉で目などを飾り、岩風呂の上には小さな雪だるまが二つ並んだ。




そうしているうちに、身体も温まり、肌がほんのりピンク色に染まる。




「それにしても…絢音ちゃんは遊也くんに愛されてるね…」




「…そんなことないよ…沙羅こそ…。蒼ってば、沙羅にすごく優しいじゃん。あんな蒼あたし見たことないよ…」




絢音ちゃんは、わかりやすい。嘘をつくのが本当に下手ね。




笑っているつもりだろうけど…ちゃんと笑えてないよ?




「そうかな…でもね、なんか不安になるの…」




「沙羅……?」




「沙羅は…蒼を幸せにしてあげてるのかなって…よく思うの…」




絢音ちゃんは、私を見つめた。




「だって…蒼、夜中にこっそりベランダで…星を見上げてね…涙、流してるんだもん………」




「え……っ」




絢音ちゃん…どう思った……?




蒼は…絢音ちゃんを


想って泣いてるの
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