幼なじみ〜first love〜
パパがいなくなって


声を失った




歌手になる夢も


同時に失った




絶望、孤独…


一瞬で真っ暗な世界に
堕ちていった




何度、夜を越えても


朝は来ない




真っ暗な世界で

ひとり怯えていた




そんな私を

救い出してくれた



蒼…私にとって

君は…



…たったひとつの光だった




私を苦しませているのは



自分のせいだと

責め続けた君



そばにいると



約束してくれた



ずっと…手を繋いで



歩いていこうと



言ってくれたから



その日から

私の生きる意味は



私のすべては


蒼になった





私を愛していないのは


わかっていた



それでもいつか


愛してくれる



そう…願っていた





声が出るようになっても


蒼に黙ってたのは



責任でもいい


理由なんて

何でもよかったの



蒼が私のそばにいるなら





でも責任感…

それだけじゃ蒼を繋ぎ止めておけなかった



足りなかった



蒼はあの子を

好きだった



ずっと…想ってた



いつかあの子の元に


いってしまうんじゃないかって…



違う…

予感から確信に変わっていった



いつ捨てられるのか、怖かった



顔色を伺いながら


生活をしていくのは、寂しさと同時に恐怖にも襲われた



不安で

眠れなくなっていった



眠っている間に

蒼がいなくなってしまうんじゃないかって…



私は蒼にばれないよう

泣くことしかできなかった
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