幼なじみ〜first love〜
――…緑ヶ丘病院。
ここは、私の声が出なくなってからずっと通い続けていた病院だった。
―――ガチャ…
私はそっと病室のドアを開け、中を覗くと彼の顔が見えた。
「どうしたの…?」
私が病室に入るなり問いかけると、彼は静かに答えた。
「……待ってたで…」
病室の白いベッドの上に座っている彼…遊也くんは、相変わらず私を冷たい瞳で見つめる。
あの日…ビルの屋上で蒼の心を追いつめた日から、1週間が経とうとしていた。
「遊也くんが沙羅に連絡してくるなんて…珍しい」
「1週間ぐらい…蒼と連絡取れへんねんけど…」
「…忙しそうだよ……」
私の言葉に、遊也くんは顔の表情ひとつ変えない。
この人はいつもそう…
私の何もかもを
わかったようなフリをするの
だから…彼の瞳が嫌い
「…おまえの思い通りになったんか…?」
「…何の話…?」
遊也くんは、フッと笑った。
「おまえそれで幸せなんか?って聞いてんねん…」
ある程度、何を言われるか予想はついていた。
「………いきなり何?」
「…もう…ええやろ…?十分やろ…蒼を放してやってや…」
遊也くんは、気づいていた。別に構わない。
私の計画も…想いも…何もかも……
「本当に蒼のことが好きやっちゅーなら…おまえ間違うてるで?」
「…自分の幸せを願うことは、いけないこと…?」
「おまえは自分のことしか考えてへん。おまえは…逃げてるだけや…自分の“弱さ”から…」
「遊也くんに、沙羅の何がわかるって言うのっ!?」
私は、自分の鞄を遊也くんに投げつけた。
ここは、私の声が出なくなってからずっと通い続けていた病院だった。
―――ガチャ…
私はそっと病室のドアを開け、中を覗くと彼の顔が見えた。
「どうしたの…?」
私が病室に入るなり問いかけると、彼は静かに答えた。
「……待ってたで…」
病室の白いベッドの上に座っている彼…遊也くんは、相変わらず私を冷たい瞳で見つめる。
あの日…ビルの屋上で蒼の心を追いつめた日から、1週間が経とうとしていた。
「遊也くんが沙羅に連絡してくるなんて…珍しい」
「1週間ぐらい…蒼と連絡取れへんねんけど…」
「…忙しそうだよ……」
私の言葉に、遊也くんは顔の表情ひとつ変えない。
この人はいつもそう…
私の何もかもを
わかったようなフリをするの
だから…彼の瞳が嫌い
「…おまえの思い通りになったんか…?」
「…何の話…?」
遊也くんは、フッと笑った。
「おまえそれで幸せなんか?って聞いてんねん…」
ある程度、何を言われるか予想はついていた。
「………いきなり何?」
「…もう…ええやろ…?十分やろ…蒼を放してやってや…」
遊也くんは、気づいていた。別に構わない。
私の計画も…想いも…何もかも……
「本当に蒼のことが好きやっちゅーなら…おまえ間違うてるで?」
「…自分の幸せを願うことは、いけないこと…?」
「おまえは自分のことしか考えてへん。おまえは…逃げてるだけや…自分の“弱さ”から…」
「遊也くんに、沙羅の何がわかるって言うのっ!?」
私は、自分の鞄を遊也くんに投げつけた。