幼なじみ〜first love〜
とはいえ、あたしは臨時の教師。




元の先生は、あたしの大学の時の2コ上の先輩で今、産休中。




「夏子先輩〜!具合どうですか〜?」




「絢音〜っ!」




あたしは学校の帰りに夏子先輩が入院している病院にお見舞いに来た。




妊娠中、子宮にポリープが出来たらしく、出産までまだ2カ月以上ある中、入院をしている夏子先輩。




「どう?島の生活は大変でしょ…絢音は都会っ子育ちなのに…ごめんね」




「ふふっ…夏子先輩の育った島に来れて嬉しいですよ」




「もうこの島に来て、どれくらいだっけ?」




「3ヶ月経ちました」




「早いね〜ホントに」




すっかりお腹の大きくなった夏子先輩。




「夏子先輩…旦那さんとは、大学在学中は遠距離恋愛だったんですね」




「そうよ…あの人は小さい頃から漁師になるって決めていたけど…私はこの島をずっと出たかったから…」




「えっ?そうなんですか…?じゃあ何で卒業してこの島に戻ったんですか…?」




「18で島を出て大学に行って、いろんなことを経験した。夢だった教師の資格も取れたし…」




「夏子先輩ってそんな前から教師になりたかったんですか?!」




「ちょっと…どういう意味よ?」




夏子先輩ってすごく美人で派手で




大学の時に出逢った頃なんて




言い方悪いかもしれないけど




とても教師を目指してるようには見えなくて…




まぁ…あたしも教師っぽくないけど




「離れてみて、この育った場所が良く思えたのよ。まぁ…本当に大切なモノは失ってから気づくって、よく言うしね」
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