―愛彩―
由里様はご令嬢でありながら、私どもの仕事を手伝って下さったり、とても心根の優しいお方でした。

旦那様もそんな由里様の行動を

『花嫁修業の一環だ』

として、黙認されておいででした。


一方、旦那様の厳格な部分を受けつぎ、将来の家長として育てられた長男の雅之様は、とても近寄りがたいお方でした。

それは私たち使用人のみならず、実の弟である和人様もそのようでございました。
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