プリンセスと学園の法則


「―…んッ…!」

最初は何が起きているのか分からなかった……

でも強引だけど優しい感触…


それは紛れもない湊の唇。

ねぇ凄く甘いよ?
両想いのキスは全然違う。

想いが通じあうって大切なんだね。


「ヤッベ…」


「何がヤバイの??」


「俺これでも我慢してたんだぞ?

最近キスしてなかっただろ?
それはつまり…その~…
お前が大事だからで…
ってもう!!

やっぱ今のなし!!忘れろ!」



「湊顔赤い♪」


「――!!!」


「いつものお返しだよ~♪」


十分伝わったよ。
湊の気持ち。

あたしをそんな大事にしてくれてたんだ…



「湊…ありがと!」


あたしより背の高い湊に背伸びして、

頬に唇をおとす。



二つの影は静かに重なり合った。



「ほっぺだけど…
まぁ良しとするか!!」



授業中の屋上。

そんなあたし達を見ていたのは澄んだ空だった――…




< 109 / 224 >

この作品をシェア

pagetop