被害妄想彼氏

ハゲ天使

3月になったけど、まだまだ寒い。そんな寒いなか、私は空港の外にいた。


…何故かって?修司くんと待ち合わせしているから。
中にはいっちゃったら分からないもんね。


「お待たせ!」


修司くんがやってきた。


「よぉ、真知子」


あ、そっか。大和くんも来てたんだ。
…?もう一人いる?


「アタシ、マダ帰リタクナイ!修司ト大和ト遊ビタリナイヨー!」


………誰?


「真知子ちゃん、この子が俺の妹と交換留学した『マリー』」


「オー!アナタガ真知子ネ!ヨロシクーヤマトナデシコ!!」


「よ…よろしく」


何か、凄いテンションの子だなぁ…。


「真知子、マリーはこう見えて、俺と同い年なんだぜ」


「ええっ!?」


マリーはとてもナイスバディ。


「ピチピチノ12サイネー!思春期マッタダナカナノヨ。サワルモノミナキズツケルワ」


…どこでそんな日本語を覚えるんだ。


今日空港に来たのは、マリーを見送るのと、修司くんの妹を迎えにくる為だった。
しばらくして、マリーは飛行機に乗った。


「椿はまだかなぁ?」


「妹、『椿』ってゆうの?可愛い名前ね」


「顔も可愛いぜ!何たって俺の双子の姉なんだからな!」


……ハイハイ。


「大和ー!修司お兄ちゃん!!」


「あっ!きた!」


声がするほうへ向くと、頭にリボンをつけた、可愛らしい女の子がやってくる。


「ただいま!」


ニコリと笑った顔は、とても可愛くて、まるで天使の様な…


「……誰?」


その天使の様な女の子は私の方を向いた。
< 68 / 143 >

この作品をシェア

pagetop