女子高生夏希のイケメン観察記
けれども、その左の瞳からは隠し切れない殺気が零れていた。

未体験の恐怖にさらされ、背中がぞわりと粟立った。
けれども、巫女さんの方は優美とも言える笑みをその唇に浮かべていた。

「あら。人を殺すなんて、造作もないことなんでしょう?
 いつだって出来るんだから焦らなくてもいいじゃない」

「それもそうだな」

……そ、そうなんですか?

驚愕する私の傍で、潮が引くように伊達さんの殺気が消えていく。

巫女さんは、モデルか女優かと言う様な、美しい顔に柔らかい笑みを浮かべているだけだ。

「それで、あなたの目標は何ですの?
 お話いただければ、シロさんよりはずっとお役に立てると思いますわ」

キラン、と。伊達さんの左目が光る。

「コイツは、クロの敵なのか」

「あら、その、クロっていうのは何ですの?
 もう少し詳細にお話いただいたほうが、お手伝いしやすいと思うのですが」

巫女さんは、伊達さんの言葉に流されることもなく、にこやかなまま主体的に話を進めていく。
< 130 / 163 >

この作品をシェア

pagetop