ベイビーベイビーベイビー
 


「祥吾さんと連絡とれたの?」

「ううん、それがね――」

 真理江は今日ここに来るまでに自分が目にした光景を、冴子に話して聞かせた。

 冷静に話そうとするものの、祥吾のベランダで緩やかにくつろぐ女性の姿が脳裏に浮かぶと、やり場のない感情と興奮で知らず知らずの内にも涙が溢れた。


 つい荒くなる声音を抑えながら、事の顛末を話す真理江。

「えぇーっ? なによそれ!
 いくらなんでもそれはヒド過ぎるわ!!
 祥吾さんたら、何を考えているのかしら!!」

 そして、それを聞かされた冴子までも、思いもよらぬ展開に憤りを露にした。



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