ベイビーベイビーベイビー
 
 
 冴子がそんな事を考えていると、今度は佐竹が、

「それにしても、小林さんは何でこんなに飲んじゃったの? 
 彼女らしくないよね?」 

と、真理江について冴子に尋ねた。
  
「うーん、実はちょっと。
 真理江、お付き合いしている人とうまくいっていなくて……
 何と言うか、私も力になれなくて。 
 結局、今夜は飲もうって事になっちゃって」 

 佐竹だって独身の男である。
 真理江の思いがけない失恋の話を聞けば、心を揺さぶられる可能性は高くて、自分には不利になるような気がした。

 けれど、冴子自身にとっても真理江の悩みというものが大きすぎて、相談には乗っているものの、抱えきれなくなっていたのは事実であり、ついつい佐竹に漏らしてしまうのだった。 
 


< 372 / 475 >

この作品をシェア

pagetop