ベイビーベイビーベイビー
 
 
「うそぉ、お友だちって同じ歳よね?
 やっぱりそろそろみんな決まっていく頃なのねぇ。焦るわぁ」

 麻美より一つ年上の同僚は、麻美の友人の結婚を祝福するよりも前に、そのような言葉をこぼした。



 友達の中ではゴールイン第1号となる理恵子の結婚を、麻美は頭では祝福しているのであるが、なぜか素直に喜べずにいた。

 或いは、なぜか持ち前の元気が易々と失せた。

 その理由が麻美にはすぐには分からなかったのたけれど、同僚から客観的に言われて初めて、それが「焦り」なのだと気付いた。


 しかしながら、そういう嫌な感情を抱いたのが自分だけでなかったことから、少し安心もするのだった。



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