[短編集]恋花
そして、ついに覚悟していた時間はやってきてしまった。
校門の前には、写真を撮る人、メアドを交換している人、あきらかに不自然な動きの男女。
みんなの前で告白する勇気なんてないから、私は手紙を書いた。
昨日の夜、何度も書き直してやっと完成した、アキから卒業するための手紙。
渡すだけでいい。
なのに、足が進まない。
そうこうしているうちに、1年の時は仲がよかったのに、
私が学校に行かなくなってからほとんど接点がなくなってしまったマナに、声をかけられた。