爆走ハラスメント〜ツンデレ生徒会と硬派な王子達
真幸が秀一の手を振り落とした位置に、葉子の胸があった。その為男達の手の甲が、葉子の胸を直撃してしまったのだった。


葉子は後ろ蹴りで真幸を蹴り、踵(カカト)落としを食らわせ、前蹴りで体を押した。


そのまま蹴り足を下ろさずに、回転蹴りを秀一の腹部に当てる。そして同じ場所をまわし蹴りで再び狙った。


「葉子ちゃん!ストップ!やりすぎだよぉ!!」


和葉が止めに入った。


葉子もここまでやれば落ち着いたらしく、乱れた呼吸を整え始めた。


「不可抗力に対して、今の攻撃はやりすぎじゃないのか…。」


まだ少しだけジンジン痛む鎖骨と腹部を撫でながら、真幸が控えめに反論する。ダメージは殆(ホトン)どない。


秀一もノーダメージだが、服を捲(マク)り上げて一応確認した。


「葉、婿入り前の体に傷つけて…責任とってもらうからな。」


秀一は赤くなっている横腹を、葉子に見せつけながら近づいてきた。


「じゃあ結婚してあげるわよ。それで良いでしょ。」


「な!なんて軽く言うんだ!いつからそんな簡単な女になったんだ!お父さんはそんな娘に育てた覚えはないぞ!」


秀一は大げさになげいてみせた。
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