調べの記憶〜春宮秘話〜

光の錦に浮びあがる色彩――それは人界の光景であった。


それほど大きくはないが、そこそこ栄えている街。


大通りに、所狭しと広げられた店。


 行き交う様々な人の群れ。


 その中を進む、人影。


春帝・ミュレアはただ、静かに見守りつづけていた――。
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