調べの記憶〜春宮秘話〜

人で溢れる街道。


その中をゆっくりと歩けば、幾度となく感じた感情が彼の胸中を満たした。


あの日から覚めやらぬ情熱。


狂おしいほどのこの望み。


それが成就することへの期待……。


同時に、無常なる現実がもたらす――長年の経験からの認めたくない――諦め。




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