Drop Piece



「Jテレまで」



タクシーの中で「さあ、どうだろうね」と呟いた秋山のおっさんの顔を思い出す。


……わりぃな、馬鹿。


俺、耳、良いんだよ。








関係者出入口から入ると、顔見知りのスタッフたちとかなりすれ違う。



「あ、れ?壱流くん?」

「なぁ、いっちばん設備が良いスタジオどこ?」

「えっと…H-3スタジオじゃないかなって!壱流くん、どうしたの!?」



驚いた顔のままのスタッフににやり、と笑ってやる。


「羊の捕獲」

「へ?」


「じゃ、ありがと」と適当に手を振って目的の場所へ向かった。



「………ビンゴ、じゃね?」


案の定、H-3スタジオのランプは赤く光っていた。


がちゃり、といきなり中へ入る。


ノックなんて、めんどくせーことしねぇから。



「はい、ターゲットさん射撃範囲」

「いち…っ」


そこには片耳にマイク付けたまんまの、馬鹿の姿があった。



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