Drop Piece
「高崎、光です」
利央が「どーぞっ」とか言い、楽屋に招き入れる。
─…“賭けタイム”スタート。
「えと、ドラマの撮影期間ではボスザ…白羽くんにお世話になるし、何かと他のみんなにもお世話になるのでよろしくお願いします」
頭を軽く下げられても、俺はフルシカトしたけど、今回は気付かなかったらしく睨んでこなかった。
「俺、水沢利央っ!」
「あ、俺は桐谷晴翔」
「仙堂琉飛」
一人一人によろしくね、と笑い掛けいきなり立ち上がる。
「じゃぁ、またあとで!」
「「は?」」
利央と晴翔が声を揃え、唖然と"高崎光"を見つめる。
俺もちらりと一瞥。
「…それ…だけ?」
「それだけ、って?」
あいつの方も何かわかってないようだった。
「これは、俺の当たりじゃね?」
「ありえないよ、それは。…ねぇ、光ちゃん。本当に用事って挨拶だけ?」
「挨拶以外なんかあるの?」
不思議そうに首を傾げるあいつに、こんな奴は初めてのせいか利央でさえ狼狽えた。
「あんたさ」
俺が口を開くと"高崎光"の視線が冷ややかになった。
「なんですか」
「俺らのこと知ってんのかよ」
"高崎光"は少し黙り、再び俺を睨んだ。
「"ShiNe"っていうアイドルをやられてるそうですね、さっき秋山さんに聞きました」
秋山……さっきの脚本家か。
聞きました、ってことはそれまで知らなかったってことで。