Drop Piece



すると、また琉飛の携帯が震える。


「あ、仕事かも。ばいばい、みかん」


時間は九時を過ぎてるし、今からなんの仕事をするんだろ…。


「みかん達のドラマの主題歌。明日レコーディングだからね最終チェックしようって」


なんであたしの考えてることわかったの!?

びっくりした顔をしていたら、琉飛が携帯を突き付けてきた。


え、戦闘ごっこ?


「俺のメアド送る」

「え」

「みかんやだ?」

「いやじゃないよっ!」


あたしも携帯をだし、赤外線を合わせた。


画面に受信完了の文字が現れ次に【仙堂琉飛】と表示。


素直に嬉しくて、顔が綻ぶ。


「ありがとっ!りゅ…っ」

「あ、俺あんま携帯使わないからね」


メアド交換した直後にそれ!?


「でもみかんのメールなら頑張るよ。だからメールする時電話してね」

「それ電話した方が速いよ…?」

琉飛は不思議そうに首を傾ける。

…あ…あれ?あたし、変なこと言ったかな…?


「そのかわり、新しいみかんゼリーが出たときは教えてね」


うん!と勢い良く頷いたけど何のことかよくわかんない…。


「ばいばい」

「ばいばいっ」


手を振ると、ゆっくり振り返してくれた。



ありがとう、琉飛。


あたし頑張るね。


琉飛のメアドを受信したばかりのあたしの携帯をぎゅっと握り締めた。



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