Drop Piece



ShiNeのうち二人って、どうゆう意味だよ?



「あたしのネットワークによるとだな!昨日…」

「あー!!社長!社長!社長!社長!社長!そろそろ出発しねぇとお…遅れるからっ!!」


運転席に身を乗り出していた俺を突き飛ばし、晴翔が叫んだ。



後頭部に鈍い衝撃。



「…ってぇ…」

「わわわわわ悪いっ!!」


晴翔がこの世の終わりってぐらい青い顔をした。


「晴ー、低血圧の壱流を攻撃するのはお腹が減ったライオンから獲物を横取りするのと同じだよー」

「すごいね、…なんだっけ。食物連鎖?」

「琉、ちょっと違うかも…」


とりあえずぎゃーぎゃー言ってる晴翔を黙らせた。


「……」

「静かになった」

「琉、晴が気失ってるだけだよ」


俺はシートを少し後ろに倒して、帽子を深く被り直して目を閉じる。



「……寝る」

「おやすみーっ」

「壱流が寝るなら、俺も寝たいな」

「琉、寝すぎだよ…」



撮影前だし万全でいてぇし、台本も昨日読んどいた。



俺のなかで"川嶋祐樹"はイメージできた。


あとはそれを現実化できるか……


そのために今のうちに休んでおこう、と思ったのに。



「きーみのー、白い手がぁー」

「てめぇは俺を邪魔しにきたのかよ!?」


この酔っ払い、まじ誰か連れて帰れよ!!


「ShiNeの新曲披露会だ!」

「ほかでやれ」



寝れそうにも…ねぇな。



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