Drop Piece
足を怪我して走れなくなった祐樹。
そんな俺をじっ、とただただ見つめていた。
さっきまで秋山さんと笑い合ってたくせに、いきなり空っぽな目をしてきた。
……あんな奴、初めてだ。
そう感じるのがどうしても悔しかった。
「壱流、すごかったでしょ?みかん」
琉飛が静かに口を開く。
「……っ」
「みかんは簡単に負けないよ」
…んなの、さっきので十分わかった。
次はまたあいつとのシーン。
台本をもう一回見直そうと思ったけど、絶対頭にはいんねぇし。
「壱流」
「んだよ?」
いきなり利央が悪戯そうに笑っていた。
「琉飛も晴翔も落ちてるらしいしさ」
「ちょっ!俺落ちてなんか…っ」
「落ちてんの知ってるよ。だからさ…」
晴翔を見ると、ものすごい勢いで目を逸らされた。
………。
「俺が落としたげる」
舌をちょっとだして、笑う利央を俺は意味がわからないって顔で見つめた。
「光ちゃんも女の子だよっ?任せてよ」
「利…」
言い掛けた言葉を晴翔に遮られた。
「利央、光に何するんだよ!?」
「なんもしないもん。ただ俺らもそう簡単に負けないよってこと」
勢い良く急に立ち上がる。
「……壱流?」
「わり、撮影してくるわ」
乱れた心をさとられないように急いで部屋を出た。