ウルフ
『倒したよ…』


レイが言う


『僕がね!』


マグが続けて言った


『ホントか!痛ッ!!でここは?』


『バーから出て直ぐの民家だ、中々医療道具が揃ってた』


『そうかぁ…』


『後悔してる?一応父親なんだし』


『レイ!後悔なんてするかよ!!俺が一番望んでたことなんだ!』

『そう…、よかった』

レイがニコリと微笑む

『さてマグ、暇な滞在ではなかったね』


『そうだね!』


『行くのか?まだ俺はお前になにも…』


『いいんだ!退屈しなかったし何より自分の力が改めてわかった…、それだけでもかなりの収穫だよ』


『そうそう僕がいなかったら殺られてたからね』


マグが言った


『だから修行し直すっていっただろ~マグしつこいぞ!』


レイがマグと珍しくじゃれあう


『プッ…、アハハハハ!』


ロックが笑う


『なんだよロック!』

レイが言う


『フッ、また会えるよな?』


レイはマグを押さえ付けたまま言った


『今度来たときはバーにジュースのメニューを作っといて』


『まだ言ってるよ』


『ハハッ、わかった!平和な町を復興させていくぜ!』


ロックはそう言うと手を差しのべた


『頑張って』


『あぁ』


二人の手は固く握られた


『じゃあ行くね!』


『あぁ…』


そう言うとレイとマグはペコリとロックに礼をすると民家を後にした


爽やかな風が吹く道をレイとマグはまた一歩踏みしめる新たな冒険を見つけるために
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