プリン

推理はつづく(妹に対する)

8 推理はつづく(妹に対する)

もし本当に妹が
今ダイエット中だとしたら?

ダイエット中の人間は、
甘いものに飢えている。

そこへ、
この海原ノリカの
発言を聞いてしまった。

3分の1ないし
4分の1なら
食べてもいいのか、
と妹は思ったはずだ。

すかさず
冷蔵庫を開けてみる。

すると、
そこには僕が昨日
買っておいたプリンが。

ごくありふれた
コンビニの200円プリンだ。

僕が帰ってくるまでに
コンビニで買い直しておけば、
妹がこっそり食べたことは
ばれっこない。

妹はそう確信したはずだ。

そして、
海原ノリカの指摘のとおり、
3分の1ないし
4分の1だけ食べて、
残りはゴミ箱へ。

そのあと、
コンビニへ行って
代わりのプリンを
買ってくることができていれば、
妹の完全犯罪は
成功していただろう。

ところが、
そこで妹の予期しない
出来事が発生する。

プリンは売り切れだったのだ。

この偶然が妹の完全犯罪を
狂わせてしまう。

僕が今朝になって
プリンがないことを発見し、
大騒ぎとなり、現在に至る。

以上は、
あくまでボクの妄想だけど、
ひょっとしたら、
真実かもしれない。

とにかく、
妹を容疑者リストから
消去することは
できなくなってしまった。

むしろ妹は
有力な犯人候補になってしまった。
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