僕は先生を愛してます

「な・・何を言ってるんだ!!お前は・・」


眉をしかめ僕を殴るように見、そして怒鳴る父。


「先生は結婚なんかしません・・いや、俺がさせません。この前は、父さんや母さんに心配をかけるわけにはいかないって思ってあんな嘘をついたけど・・やっぱり無理です。」


「・・お前・・自分が言っている意味がわかるのか?」


震えている父の肩。



「はい」


「・・全てを捨てるという意味なんだぞ?」


「はい」


「お前は・・そんな女一人のために、自分の持っている地位まで・・全てを捨てて・・バカらしいとは思わないのか?」


「俺は・・そんな女だとは思いません。それに俺には元々地位なんてありません。全てはあなたたちのモノでしょ?俺は先生がいれば何も望みません」


初めて両親に反発した時だった。


母は涙を流し下を向いている。


「・・私は許さない。」


父は震えた言葉で言った。


「だから俺は、父さんの跡も継ぎません。俺は俺の幸せを掴みます」



静まり返った部屋は冷たい空気が流れていた。
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