僕は先生を愛してます


ドンっ―


「ちょっと、急に止まらないでよ!痛いじゃん」


「うるさい!黙れ」


彼女に言うと先生を見つめた。


幸せそうな表情で笑っている。


僕には向かない笑顔。


あいつと僕・・。

何が違う。

どうすれば僕にも、そんな風に笑いかけてくれるんだ・・。


―先生・・。



「もしかして・・ストーカー?!」


「黙れっつってんだろ!」


僕は彼女の口を手で塞ぐ。


「んっんっ・・苦しっ・・」


「あの~・・お客様?」


なにやら変に思われたのか店の人が話しかけてきた。


「いっ・・行こうか。夏美ちゃん」


必死に笑顔を作り彼女に笑った。


「なっ夏美ちゃん?!」


僕は彼女の手を引っ張った。

店の人は首を傾げ不思議そうな顔をしていた。

「あたし愛なんだけど?」

「は?」


「名前!夏美じゃない!」

「うっさいなぁ。名前なんてどうでもいいだろ」


「キャッ」

「えっ?」


彼女は手で顔を隠した。


「何やってんの?」



「キス!!」


「はっ?」


指差す方向に視線を変える。
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