お嬢様の執事様
「おじいちゃん…、」

「優姫。来なさい、私の元へ」

「―――」

差し出された大きな、おじいちゃんの手。

「はい…――」

私がその手に自分の手を重ねると、おじいちゃんはにっこりと優しく笑い、白石さんも安心したように笑った。

そして、目の端には残念そうに悔しそうにする親戚たちの姿が映った。

後から聞いた話なのだが、白石さんは私を引き取る気でいてくれたそうだ。

私はその白石さんの優しさにも、おじいちゃんの優しさにも、涙が出そうになってしまった。

「葬式などが終わったら…忙しくなるぞ、優姫」

「はい。おじいちゃん」

そしてここから、始まった。

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