冬物語
《今から迎えに行きます。》
携帯を持って待っていてくれたのか、返事が返ってくるのが早かった。
それを確認したあとあたしは少し歩く。
学校を背にして歩くのはあんまり好きじゃない。
楽しそうな笑い声がどんどん近づいてきて、いつもあたしを追い越していくから。
でも、振り向かなくなっただけまだマシか。
振り向いたらそれで終わりだから。
「綺魅ーー!」
振り返らずにはいかなかった。
だってその声は
「はぁはぁはぁ」
ずっと想像して叶わなくて落胆していたから。