激情型お姉さん ナツコ
それにしても初めての妊娠というのは、不安ばかりである。



その頃、私の夫は単身赴任していた。



普段なら一人暮らしなど平気なものだが、
妊娠中は一人でいると、なぜだか不安が増す。



マタニティブルーだったのだろう。
些細な事でも気になった。



そんな時、私はナツコに電話をかけて、相談をしていた。



ナツコは元々探究心のある性格で、
分からない事や気になる事があると、徹底して調べる。



そのおかげで、物事をよく知っている。



相談した時ナツコは、私の話を親身になって聞き、的確なアドバイスをした。



私はもう夫以上に、ナツコを頼りにしていた。


ある日ナツコは電話でこう言った。



「私さ、あんたの出産のとき、そっち行くわ。あんたの事心配やし。


だんなさんも帰って来れるか分からんやろ?

だから実家で産もう!」
< 5 / 48 >

この作品をシェア

pagetop