コガネ《短》




「おめーはしっかりしてるよなあ。仕事も丁寧だし、早えし」

奢ってもらったカツ丼をかきこんでいると、向かいに座ったゲンさんが突然言って来た。

何言ってんですかと笑うと、ゲンさんは何についてかは分からないがうんうんと頷いて顔をクシャクシャにして笑い返してきた。


そして、店の隅に置かれている古びたテレビに視線を移すとそれを顎でしゃくり、テーブルを拭いていたタエ子さんに声をかける。

「タエちゃん、あんな教育番組見てねえで昼のアレ見ようぜ」

昼のアレとは、いつもこの時間にやっているサングラスをかけた司会者が出てくるあのバラエティ番組の事だろう。


目をテレビに向けると、いつも眠くなるような番組しかやっていないチャンネルがついていた。

画面いっぱいに、黄金色の花が咲き乱れている。



次にタイトルが映し出され、俺はそこで固まってしまった。


「ミツバチの秘密」




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