彼女の唄、ボクの唄
「採血の時間ですよー」


白い服に身を包んだ女の人がそういうと部屋のみんなが嫌な顔になる


黙って左腕を差し出し、早く終わってくれるよう願う


「なぁ、あんた長いのか?」


隣のベッドで血を吸われている大学生くらいの男が話しかけてきた

「半年くらいだよ」


「長いんだな、俺昨日からなんだ、短い間だけどよろしくな」


そういえば自己紹介された気がしないでもない


「よろしく」
< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop