俺はキミの生徒

「はい、じゃあ春谷くん。

この問題答えてね～」


１周教室を回ると柚木ちゃんは宣言通り俺を当てた。



『ｎ=5』


それだけ答え、俺の視線は黒板から窓の外へ移る。



『お前さ～柚木ちゃんのこと、いじめすぎ』

苦笑いでそう俺に言うのは



『うっさい、新(ｱﾗﾀ)』


高校で知り合った佐藤　新

顔はＳランク

運動神経抜群

頭は…平凡

性格は…天然


まあ簡単に言えば新はモテる。



『柚木ちゃん、睨んでるよ修司のこと。』


そして俺は春谷　修司(ﾊﾙﾔ ｼｭｳｼﾞ)

頭は…いいほうだと思う。

性格はひねくれている。

顔は…普通?


でもなぜか新と並んで歩いていると女子が


『天然王子とクール王子だ!』

と、騒ぎ出す。


天然王子は多分、新のこと。

アイツのキャラ、王子だしな。


でも俺…王子ってキャラじゃないしクールでもない。


だからよく分からないんだ。

けど、そう言われてるのは事実。